MIHO’s STYLE

ボンモマン・オーナーブログ

私ね、365日。
「鍋」でもいいくらい。

鍋料理が好きです。

それは、準備がラクだからってのも
モチロンあるんですが。。

それ以上に、わが家には「絶品ポン酢」があるからなのです^^

「俺、お父さんの事、昔、料理人だと思ってた」
と、夫がそんな風に言うほど

娘の私が厳し目で評価しても
父の料理センスは抜群。

プロの料理人にも引けを取らないくらい

味覚はもちろん。
その技術、その知識・・・・。
いったい、どこで覚えたのかな?
と、ほんと不思議になるくらいの人でした。

そんな父が毎年作っていた自家製ポン酢。

全国から選りすぐりの食材を取り寄せては、
完成させた絶品のポン酢なんですけどね。

私の何倍もコダワリが強かった父・・・。

実家の離れの部屋には、壺(瓶)が幾つも並べられ。笑

A・B・C・D・Eと
それぞれ微妙に配合を変えては
どれが一番が美味しいかと、日々、研究に研究を重ねていたんですね。

そうして出来上がった自家製ポン酢は
もう、それはそれは絶品で・・・

特に「ふぐチリ」によくあう
私の大好きなポン酢だったのです。

そんなポン酢をね
父の友人らにも振る舞っていたんですけど。

そしたら、当然ながら「おいしい!」となる訳です。
で、そのうち「自分で作ってみたい。教えて欲しい」
とみんな言い始めるんですけど、もちろん、父は快諾。

私が10代の頃だったかな?

「ポン酢の作り方を友人らに教えてあげるから
手書きのレシピをワープロで綺麗に打ち直してくれないか?」

と、父が私に頼んで来たんです。

「いいよ♪」と気軽にOKしたのですが
その原本を見て私は焦ったのです。

なぜなら、材料の仕入れ先から、段取りから、
全て事細かく、何一つ隠すことなく、黄金の秘密が書かれてあったから。

そのレシピのタイトルは
「シゲちゃんの秘伝のポン酢」だったんですけど。

その名の通り、秘伝の配合が全てがそこにあったのです。

私は、父が研究に研究を重ね、
そこに辿り着くまでにお金もいっぱい使い、
苦労して作り上げてきてるのを知ってたから

そんな簡単にレシピを渡しちゃっていいの?
って、かーなり動揺したんですね。

そして、ケチ根性が顔を出し

「ここまで教えなくてもいいんちゃうん?
勿体無いやん!」と、父に言ったんです。

そしたら、父は…

「かまへん。かまへん。全然問題ない。
みんなが旨いポン酢を作れたらいいやないか^^」

笑ってそう答えたのです。

うちの父は、本当に出し惜しみをしない人で

「使ってる材料とか、やましいことは何もないから
全てに自信があるから、全部公開できる」とも、よく言っていたんですけど^^

何より、周りを喜ばせること。
周りに幸せを与えることが大好きな人だったんです。

でね、父の友人らはすごーく喜んで
その黄金レシピを手にし、実際、何度も作っていました。

その様子を見て、父はとっても嬉しそうだったんですね。

でも、当時の私には
その父の精神が理解できなくて、、
ちょいと人が良すぎるんじゃないの?
と、感じていたのでした。

そんな中、しばらくして
面白い現象が起こったのです。

その自分で作ってた父の友人たちがね

「やっぱり、あの味は
どーしてもシゲちゃんにしか出せないわ^^;」

と、父のポン酢が恋しくなって
売ってくれないか?と頼んできたのです。

その様子を見て、当時の私は気づいたんです。

どんなに真似して作っても、
どんなに完全再現しても、

その人の味は、その人にしかできない。
同じものを作る事なんてできないんだなぁ。
っていうこと。

そして、「企業秘密になんかにする必要ない」
と、父がレシピを堂々と公開していた意味が
何と無く分かった気がしたのでした。

もちろん、父の思いの根底には

「最高のレシピだからこそ
一人でも多くの人に知ってもらいたい」

そういう気持ちだったと思うんですけどね。

私は、その大切なことを理解できるまでには
すごーく時間がかかりましてね^^;

自分の知識や経験、苦労して手に入れたものだからこそ
「全部自分の手柄にしたい」

独り占めにしたい!
どこかに、そんな気持ちがありました^^;

でも、いつ頃からか
そんな気持ちもふっと飛んで行ってね。

さすがに父の精神までは達してないですけど。

「私の今まで培った知識や技術は
全部惜しみなく伝授するから♪」

と、思えるようになってから
生きるのがより楽しくなったし
気持ちがラクになったんですよね。

何より素敵な人が周りに集まってくれるようになった。

…そんな風に感じるのです。

「おっ!さすが、お父さんの娘ですね!!」
と、父に似てるって夫に言われるたびに

なんだか誇らしげに感じる今日この頃。笑

【追記】
しげちゃんの秘伝のポン酢。

亡き父がレシピを残していてくれていたのですが
父の字を見たら涙が出てくるので、私はずーっと見れなかったんですね。

なので、秘伝のポン酢は母が引き継いで作っていたんですけど。

モチロン、気持ちが落ち着いたら
レシピを引き継ごうと思っていたんです。

が、何年前だったかな?
母が間違えて父のレシピを捨ててしまって。。。^^;

結局、私は、そのポン酢を一度も作らずじまいで終わってしまいました。

でね、今は、父の味と母のアレンジがミックスされた
新生ポン酢になってるんですけど。笑

これもまぁ、なかなかのお味で。

今度は夫が、その味を引き継ぎたいらしく…
ハリキッテいる。

いつになるかは分からないけど。
その日が来るかは未定だけど。笑

夫レシピが完成したら、レッスンでも
お伝えしたいなぁと思っています。

ちなみに夫も、父同様
出し惜しみのまーったく無い人なのです^^

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MIHO TSUDA

日常やシゴトへのオモイあれこれ綴ってますので
楽しみながらお読みいただけると嬉しいです。詳しい自己紹介はprofileページをご覧ください^^

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